次の世代に何が遺せるか


朝一番からみんなの家がある南中の方で、小川小学校の忠魂碑清掃。

小川小学校

これまでどこでも見かけてきた忠魂碑。こういったものまで地域の人達が手を入れて守っている。
街中だと人数が多いからそれだけ税金も沢山集まるからいつのまにやら税金を使ってどこぞの誰かがしれっとやってる。だからこうして手が入れられていることすら気づかない。でも丹波市のような田舎であると気付くも何も自分たちの手でやることになる。

それにしても村のおっちゃんらの、この野良作業慣れ具合にはほんと恐れ入る。
なんでも持ってるし。ブロワーまでしれっとでてくるんやから。こういうところが田舎の人の方が絶対的に優れている。

丹波市木の駅プロジェクト

昼からは丹波の森公苑にて丹波市木の駅プロジェクトのシンポジウムに参加。
スーパーグローバルハイスクール(SGH)でもある柏原高校には自然防災探究部なる部があるそうで。最近の部活動はすごいですなあ。昔はわかりやすい部活しかなかったんやけどな。時代も変われば嗜好も変わるか。

木を1トン運んでこれば6300円になるんだと。あんまりピンとこないけど、いい金額ではないんだろうなと思う。
いい金額ではないというのは、それだけで生きていくならばということ。仕事(本業)にはならないということ。

現在ストックヤードが市島町にしかないということは、そこまで運ばないといけない。片道約20km。往復40km。
そうなると、燃料代だけで軽く400円はいく。おまけに1トンもの重さのものを運ぼうと思うと軽トラだと無理で普通のトラックが必要になる。林業のような重いものを扱う作業は、引っ越し作業にも似ているところがあるが、一人でやる方が効率が悪い作業であり、複数人いた方が効率があがる作業。

例えば、100kgの重さのものを一人で運ぼうと思うと大変な労力と時間がかかるが、二人で持てば50kgずつ、4人でもてば25kgずつになる。そうなってくると、4人がかりの方がたくさんのものをより早く効率的に運び出せるようになる。

なので例えば1か月に200000円稼ごうと思うと、燃料代などの経費も換算して250000円程度売り上げとして立てておく必要があるので、1トンで6300円ということであれば約40トンもの木を運び出さなければいけなくなる。仮に20営業日でそれを成し遂げようと思うと1日2トン。2トン車が手配できていて一発で運べると考えても、やはり1人では到底無理がある。

そうなってくると、1人で40トン運ぶことを考えるよりも、先述の要領で4人で200トン、8人で500トン運びだす方を検討する方が賢いと言える。林業は昔からグループワークなのは、安全面等もあるがこうした経済原理でもやはりそうなのだと思う。

今回林業女子の皆さんからの話もあったが、みんなで仲良く部活感覚で楽しくやる、というのは理に適っているように聞こえた。人手が多ければ多いほど効率が上がるからだ。実際にやってみたらすぐによくわかる。木は、切る方が圧倒的に簡単で一瞬の話やけど、その後の不要な枝打ちや丸太にしてから運び出すことの方がよほどの労力と時間がかかる。

仕事にはならないとしても、木の駅はこれはこれでやっていくことが重要だと思ってる。なんせ丹波市はすこぶる広い。

木の駅が本格稼働したところで、手が入る山の数が恐らく知れてる程度であって、今500㎢の面積のうち25%のところで人は住み、25%の土地の管理だけで四苦八苦しているのに、残りの75%にまですべからく手が入るかといえば、決してそうはならない。およそ仕事として業者(つまり大型の重機がぶち込めるような事業体)が入っていかないことにはなかなか見えてこないもんがある。

事業として木に入る人もいれば、小遣い稼ぎで入る人もいて、自分の家で薪を消費すべく自伐林業家な人も入っていって、多方面から山に入る人がいて、木を日常消耗品として、日常に必要不可欠な材としていかないことには隅々まで手が入ることはないやろう。

今、自分の中で森林に対する関心がすこぶる高まっている。
みんなの家は元々が製材所であることや、丹波市からの移住相談窓口を受けていること、自分自分が地域住人であること等、色んな側面から考慮して、今住んでいる山にもっとアプローチできないかを考えている。

事業者として本業を担っていく事業体を目指すか、小遣い稼ぎ程度の自伐林業家を目指すか、ただ単純に遊びで山に入るか。どこを担うか、を検討している。これらの結論はお盆明けから行くことを予定しているアメリカ出張で出そうと思っている。

岩屋の夏祭り

夜は山南町岩屋の、二年に一度の夏祭りに参加。

俺と嫁は、よそもの。
俺らの子供は、地元の子。

俺らはこの子らに何が遺せるかな。

いらんゴミは遺したくない。有意義なものを、遺したい。