根本的な間違い
午前中からふるさと回帰フェア@大阪で天満橋へ。
始まる前に地下で腹ごしらえ。ドトールとかで朝ご飯食べると前職時代を思い出す。
こうしたイベントもかれこれ4回目くらいになってきたが、毎年ずっと同じ事の繰り返し。年々参加者も減ってきている実感がある。
そりゃ同じ事ばっかりやってたらそうなるだろうってのもあるし、何よりこのイベント自体とても不思議な構成になっているのもある。
いつか田舎暮らししたいなあとぼんやり考えている人に対し、200を超える地方の自治体が参加し、うちの田舎どうですか?とアタックする訳だから、どこかも決めてない人に200もの選択肢をいきなりアタックするんだから基本的に“路頭に迷っている人を余計に路頭に迷わして帰らせる”仕組みになっている。帰りがけの参加者の姿を見たら膨大なパンフレットをもって帰っている人を見かけるが、まさにこのことを体現しているように見える。
2015年4月から行政の業務を受けてこうした仕事に関わっているが、初年度から薄々感じ、二年目には確信に変わり今なおずっと思っていることは、ほんとに移住者を増やしたいとか、人口を増やしたいという自治体はこうした取組では絶対にその目的は達成しないということ。
兵庫県の転出超過がずっと続いており、全国ワースト2位を誇る勢いで人口が出て行っている現状があり、その原因をあーだこーだと調査しているが、率直に考えてほとんどの人にとって兵庫県(神戸)が栄転の最終地じゃないからだと思っている。日本人はほとんどがサラリーマンであり、サラリーマン生活をすすめていくにあたりどんだけ全国を出張でまわっているような人も最終的にはやはり本社界隈での生活を視野にいれる。普通に働いて、普通に昇進していけばまあ普通は最終的に本社で働く。そうなった際、それが端的に神戸じゃないだけ、兵庫県じゃないだけ。そう思ってる。
田舎で生まれ育ち、地元の高校を出て街中やよその大学にいき、その後リクナビやら大手就活支援サイトの情報を見て就活するところまではほぼ条件的には一緒。なのにワースト2位の転出超過になるということは、元々人口の母数が多い県であることに加え、大阪や名古屋、東京、福岡とかと違って会社の本社が少ない、または人気の企業の本社が少ないというところが根本的なところだと思う。
移住促進をする為(目的は人口の増加)の予算が1億円あったとして、それをどう使うのが一番費用対効果が高いか?なんて考えている自治体がほとんどないような空気感が本当に好かない。
1億円使ってよそへ地域のPRをし、移住してくださいと言うだけに1億円使ったところで、根本的に魅力的な仕事がない、世の中の会社の本社がほとんどない、有名企業がないといったところが変わらないので結果がどうなるかなんて目に見えている。PRというのは基本的には一番最後にやること。商品がまだ完成してないのに商品のPRしても売るものがないんだから意味がないのと一緒。
なので、同じ1億円を使うならば、地元企業に投資しよそからの従業員への仮住まいとしての住宅を提供してみたり、日本で唯一の商品を開発させて売上規模を拡大させたりして日本中の人がうらやむような企業に育てたりと、内側の魅力充実に投資した方が人が流れるのではないか?外へのPRよりも中の拡充をした方が人が移住し定住していけるのではないか?と思っている。
なのでこうした自治体の移住関連部門に観光めいた物事やシティプロモーションめいた物事を追わせるのは非常にナンセンスであり、どこぞの首長でもしこうした外へのPRをすれば人口が増えると思っている人がいればとてつもない勘違いをしている。この勘違いにとっくに気づいているところが今現在とてもうまく移住者が増え実際に人口増加が続いているのではないかと感じている。
じゃあなぜまだこうしたイベントに出るのか?と言われるとまあ当然別の目的があってのことだがまたの機会に。
夜は日本橋に移動し、西山酒造場のアンテナショップで飲み助け。久しぶりによー飲んだー