覆面採用合宿やってみた
一泊二日で行われた覆面採用合宿も無事に終了。
覆面採用合宿をやることになった背景としては、丹波市の採用事情。
丹波市の有効求人倍率はここんとこ常に求職者数を求人票数が上回っていて、常に人材不足が続いている。おまけに、丹波市にはリクナビやマイナビ等の大手求人広告がさっぱり入ってこない関係もあり、市内の事業者が求人出したいとなった場合にほぼハローワーク一択。ハローワークに求人を出す場合に色んな記載条件もあり、例えば職業柄若い女性が欲しいと思っていても年齢制限をしてはいけない(それは差別だからということになる)、性別で採用を左右してはいけない等のおかけで、本当に必要としている人物像とは違う人が応募してくる可能性をわざわざ用意され、あげくの果てに面接を断ってはいけないというルールがあったりして、全然見当違いの人が面接に来てもいちいち面接の時間を設けなくてはならない。
求職者側としてもいい事業者、自分にあった事業者を見つけるのにハードルが高い仕組みとなっている。というのも、例えば仮に建設業の事務員として働きたいと考えていたとして、ハローワークで求人出しているところはないか尋ねてみても、出てくる求人票はほぼ字面のみで紹介された事業者情報しかなく、どういう会社なのかをつかみ取るには不十分な情報から選ぶしかない。ハローワーク側でもこのあたりの対応として一事業者に10枚まで写真掲載も可能としているが、利用している先が相当少ない。どういう会社かさっぱりわからないとなると、必然的にもう給料面や福利厚生面等で判断せざるを得ない。
双方ともにハローワーク一択であるにも関わらず、ミスマッチを続出させる仕組みとなっているが為に、市内事業者からハローワークに求人出してもいい人がさっぱり集まらないという声が止まることなく、むしろ広がってきてしまっていることにどうにか風穴を開けてやることはできないか?と考えた先が、この覆面採用合宿となった。
また、世間一般的な就職活動、転職活動にも相当な疑問もあって。たかが1時間程度の面接でお互いの一体何がわかるんだろうか?お互いはじめましてなのに本当に思ってる本音が語られているのだろうか?いきなり給料とか条件とか話し合うのは、まだ付き合ってもない相手と結婚の条件を提示しあってるくらい不自然なやりとりなんじゃないか?等々。これらを踏まえ、
“ステータスを完全に伏せた状態で、まず最初にお互いの人となりを理解するところから始められないか?”
ということだった。
最初のはじめましてでは、お互いの職業等は伏せた状態で簡単に挨拶した上で、お互いどういう価値観をしているのか?といったことを探るワークショップや、互いの違う価値観を一つにまとめていくワークショップ、また本来なすべき自己紹介の代わりにStrengthsFinder(ストレングスファインダー)を用いて提示された結果に基づいて自己紹介する等を行った。
余談になるが、はじめてやってみたストレングスファインダーは、正直だいぶ微妙な印象を受けた。出てきた結果は自分だけの絶対評価であり、世間一般の人と比べられた相対評価ではない為、自分は強みだと認識していたとしてもその次元が世間一般よりはるか下であった場合に相当な井の中の蛙でしかないことになる。それは強みと呼べるのかと言えば、単なる性格分析にしか過ぎず、これを強みの診断というのははなはだ疑問。
また、約40分ほどひたすら質問に回答していく訳だが、でてくる質問の日本語が相当うさんくさい。翻訳機にかけただけレベルの日本語レベルで、これでちゃんと診断されるかと思うとやはり相当微妙で、おまけにこれで有料なのを考えると、もはや動物占いでよかったなという印象。次は動物占いにしよう。
その後夜ご飯をみんなでつくったあたりで素性のカミングアウト。13時からイベントを始めて、カミングアウトまで大体5~6時間。もっと早いタイミングでもよかったかなという感想。
その後眠たくなるまで自由な懇親会。やっぱり懇親会の空気感がお互い気軽に交流できる感じがあるなあと。この空気感を一番最初に創れるかどうかが結局の胆な気がするなと。
結論として、これはやってよかったなというか、色んな改善点はあるにせよ、方向性としては間違っていないなっていう感触は得られたなと。参加者のアンケート結果をみても満足いただいてたようで、一安心といえば一安心。
この結果を受けて、次どうするか。また考えねば。皆様お疲れ様でしたー。
追伸:後日、取材に来ていた神戸新聞さんがネット上に記事をあげてくれましたので転載。神戸新聞さんありがとう。
https://www.kobe-np.co.jp/news/tanba/201902/0012040798.shtml