5000円渡して「好きなもん買ってええで」をやってみた


昨日、娘氏の誕生日だったのでゆめタウンへ。

地方で生きていく上で、“お金の稼ぎ方”よりも“お金の使い方”がよっぽど大事だと思っている。なのでまだ早いとは思いつつ、早めにこしたことはないとも思い、お金の使い方の勉強をさせるべく「好きなもん買ってええで」と5000円を渡しミッション開始。

※前提として、数日前から何が欲しいか尋ねた際に、アンパンマンのお医者さんごっこ的なおもちゃが欲しいと言っていた。
※原資はじいじ&ばあば。なんか誕生日に買ってあげてと預かっていた。

まずは一目散に入り口付近のおもちゃ屋さんに。目的のブツがなかったのでジョーシン内のキッズランドへ。

親「どれにする~?」

娘氏「これがいい~(こえだちゃんの木のおうち)」

親「(いやいや、こえだちゃんてなんやねん)そ、そうなんや。でもさ、これ買うともういきなり残り220円になるで?おまけにこれ、よくみたら木だけで、中の家具とか人形とかないからほんまに木だけやで?全部そろえるにはお金が足りないなあ。どうする?」

娘氏「う~ん、じゃあほかのん探す」

親「お医者さんごっこのん欲しかったんちゃうかったっけ?」

それからお医者さんごっこ的なやつを探す。そもそもなぜ唐突にお医者さんごっこなのかは意味不明だが、アンパンマンのものと、キティちゃんのやつを発見。

娘氏「これがいい~(キティちゃんの方)」

親「(いやいや、キティちゃんとか一度も触れたことないやん)そ、そうなんや。アンパンマンのもあるけど?」

娘氏「これがいい~(キティちゃんの方)」

親「じゃあそれにしよう。それは1760円なので、5000円持ってるから、残り3240円あるで。他のおもちゃを買うこともできるし、他に食べものとか飲み物とかお菓子とか、何かほしいものがあればそっちを買うこともできるけどどうする?」

娘氏「う~ん(何か探しにいく)これがいい~(冷蔵庫のおもちゃ)」

親「(いやいや、リアルに切れるおやさいてwリアルに冷えへんのかいw)そ、そうなんや。これを買うと2690円なので、3240円あるから、残りが550円になるで。それでいい?」

娘氏「うん!それでいい!」

という訳でのっけから残金550円に。そもそもなぜ唐突に冷蔵庫なのかはさらに意味不明だが、きっとおままごとが好きなので、まだひらがなが多少読める程度なことを考えると“ジャケ買い”かと思われる。

親「あと残り550円。何か買ってもいいし、残しといてもいいし。どうする?」

娘氏「何か買う!」

親「そうか。じゃあ何買う?お店の外にはガチャガチャもあったし、スタバで何か飲むこともできるし、なんだったら二階のゲームセンターで遊ぶこともできますけども」

娘氏「ゲームセンターにいく!」

という訳でゲームセンターへ。

※前提として、これまでゲームセンターで僕はお金を出して遊ばしたことはない。嫁は多少ある。嫁の実家の弟君たちがたまにゲームセンター連れてってくれて遊ばしてくれたりUFOキャッチャーで景品ゲットしてくれたりしてたので、楽しい思い出が先走っている状態。

親「どれで遊ぶ?」

娘氏「これに乗る!(メリーゴーランド)」

親「これは100円なので、550円持っているから、残り450円になるよ」

最初とてもご満悦で乗り込み、何周かすると想像以上に揺れもなくおもしろくなかったので笑顔が消えていく。遊園地のそれとはレベルが違うことを体感したように見える。

娘氏「次これで遊ぶ!(コイン式のゲーム)」

親「それはコイン式やね。100円で10枚に変えれるで。とりあえず100円分を変えると、残り350円になるけどそれでいい?」

娘氏「うん!」

コインゲームは世間一般的にシビアな作りになっていて、破竹の勢いでコインをすりまくり、あっという間にコインが尽きたと同時にとてつもなく面白くなさそうな空気を醸し出す娘氏。

娘氏「これする!(潜水艦みたいなやつ)」

親「これは普通にお金かかるやつやね。200円やって。なので残りが150円になるけどどうす娘氏「チャリンチャリン」」

なんだか真剣な眼差しで、たまった鬱憤を晴らすかのごとく絶対に余分な程ハンドルをゴイゴイ動かしていた。

親「もうあと150円しかないから、100円のやつを一個遊んでおしまいかな。最後どれにする?」

娘氏「これにする~(お菓子とれるやつ)」

お菓子がいっぱい中に入ってるので、いっぱいとれると期待したんだろうが、世の中はなんて無情なのか、当然のごとく一個もとれずに終わりの時を迎え、その後やさぐれた気持ちのままうどんをすすっておりましたとさ。完。

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と言うわけで、今回の件が本人にとってどういう学びとなったのかはまだ少し後にならないとわからないが、親としてはかなり勉強になったところがある。

まず、「何が欲しい?」と問われても、その時パッと浮かぶものがなければ、娘氏には世の中に一体どんなものがあるのか調べる術がない。

現状、テレビもあまりみないし、インターネットにも触れさせていない。アンパンマンのお医者さんごっこというのも、きっと幼稚園でお医者さんごっこでもやっているのであろうことと、家に存在するおもちゃのカタログ的なものがアンパンマンランドでもらってきたものだけ。

それで『アンパンマンのお医者さんごっこのおもちゃ』という発想になっただけで、かなり前からアンパンマンには飽きていたし、なんならプリキュアの方が好き。なのでこれは、世の中には色んな選択肢があり可能性があるということを知る、調べることができるようにしてあげる段階に来たのかもしれないなと。

きっと、間違いなく今回買ったおもちゃはどこか妥協で選んだだけで、それは“選ばざるをえなかっただけ”だったように感じたし、それはゆめタウンという場所に縛った親側の環境設定が悪かったなと。

“好きなものを買っていい”というのもそう。好きと一言でいっても、程度の問題として、めっちゃ好きなのか、そこそこ好きなのか、好きか嫌いかで言えば好きとか、幅がある。今回の一定の条件下で買わざるを得ない場合に、めっちゃ好きなものが見当たらなければ、当然結果もさしていい結果にならない。それを今回感じたからこれは親側の設定が悪かった。

実際、5000円というお金になれば、一歩外に出るとおもちゃを買う以外にも沢山の使い道がある。遊園地で遊ぶのもそう、まだ知らない楽しいもの、おいしいものに使うこともできる。

なので、今までに世界の中だけではもう、のめり込む程の楽しさや知的好奇心を揺さぶられまくるものがなくなってきていて、外へ思考や興味を広げてあげる時期なんかなと。そんな感じがしたね今回は。4歳というのは、思った以上に子供じゃない。

4歳にもなると、常に親と一緒ではなく、友達同士で過ごす時間もでてくるんだろうし。色んなものに触れさせていってあげようかな、ここからは。

知らんけど。