第13住人の功績


かつて幻の第13住人がみんなの家に居ました。

のっぴきならない事情があって、住人であることを公にはせず、仕事も三田に働きにいってたこともあり、ほぼ家と仕事の往復をしていた住人がいました。

お布施

彼は、自分がとてもふがいなく感じていて、これといって出来ることがないからといって、毎月管理人とオーナーに一万円ずつ、家賃とは別でおさめ続けていました。そのお金は、何か地域の課題を解決することに役立ててほしいと。

彼はそんなお金がある訳ではなかったのに、日々カップラーメンを食べ、日々パスタを茹でてオリーブオイルと塩かけただけの飯をひたすら食うという粗めの節約をしながらおさめていました。
しばらくすると、顔面が灰色になっていました。栄養失調になっていたんでしょう。

そんな中、一時みんなの家でどうしようもないやつを預かった時がありました。
http://iguchihajime.com/2015/09/28/20150928-2/

そいつが一文無しだった為、管理人だったわたくしは無慈悲な制裁期間中として放置していた時、
『井口さん、渡してたお金であいつになんか買ってやってもらえませんか?』

とかいうもんだから、せっかく無慈悲な制裁期間中なのに、どうしようかと悩んで、彼と同じくらいの食事を買いました。1500円分くらい。

男には死ぬほど厳しいわたくしですから、彼は致命傷的に優しいやつだな、と思いました。
休みの日も、何かできることはないかということで、みんなの家では特にこれといってなかった時も、オーナーの実家の方に手伝いにいったり。

そんなやつがいました。

最終的に7万預かり、1500円ほどは謎のご飯に消え、残りをどうしようかと考えていた結果、布団を新調しました。10組。

新布団

みんなの家が始まってそろそろ4年。
当初から大人数が来ることが決まり、布団が必要になり、布団をもらってきてしのいできました。これまで30組以上はいただいてきたでしょうか。

一番最初、柏原町にある黒田測量設計の黒田家でたくさんお世話になり、その後オーナーの親戚の方々や、市島町の山名酒造の山名家にもたくさんお世話になり、数でいうたら一番お世話になってきたもの、それが寝具。

せっかくの厚意でいただいてきた布団。
気持ちよくゲストを迎えたくって、泊まっていきはる人がいるたびにシーツを洗い、干し、はたき、を繰り返してきました。

布団

それでも、30組近い布団を常に家に置いていると、当たり前なんですが、30人も泊まりにくることはそうそうなく、ヘビロテで使う布団以外は押入れの番人となり、不動の地位を得ていってしまったことから、押入れは開かずの間化していき、なんだか大変な感じになってきていたのと同時に、ヘビロテされる布団はヘビロテされて疲労感いっぱいになり、そろそろまた布団をどげんかせんといかんという感じになっていました。

なので、いずれ全て新調することを視野に入れつつ、今までいただいた布団からベスト10を選出して残し、10組を新調いたしました。押入れに全て入りきるであろう数が20組。

ここから日々、新調された方を使い、またタイミングがきた段階でどうするか決めようと思います。
これから泊まりに来られる方、新しい布団でどうぞ。

そんなやつがいたってことを、頭のどっか片隅に置いてやってください。この世のどっかで喜んでいます、きっと。

また一つ、人の厚意で巡るものが。第13住人の功績。