屋根拾いと解体と感謝と所感とマメ知識


今日は一日屋根拾い。35年生きてきて屋根拾いにいくの初めて。

台風当日、どうやら北側からの風がすごかったんでしょうな、弊社の倉庫は北側だけ開いていて、そこに流れ込んだ風が壁にあたって上昇したんですかね。倉庫裏の北側は土砂置き場になっていて何もない開けた空き地のようになっていて、そっちに飛んだと。

どれくらい飛んだかというと、前にある高台の向こう側までノーバンで飛んだと思われる。手前側にはどこにも着地した形跡がない。この時点で50mくらい空を飛んでいたことになる。台風恐ろしすぎ。

高台の向こう側で屋根は着陸、そこで屋根の半分が死亡、残り半分は転がっていって南桃苑前の道路まで。そこまで約100m~150m。

なお、そこまで転がっていく為には川を渡る必要があり、川にかかった橋をうまいこと渡って転がっていったと。なんたるいらん奇跡。

とりあえずよそ様の土地なので、早いとこ処分しようということで今朝から着手。まずは道路沿いまで飛んだ分から。

作業していると南桃苑にお勤めの同じ小学校区のおっちゃんが様子を見にきて雑談。何やら篠山のクリーンセンターはゴミの長さ制限があるから気をつけろと助言いただき、即確TEL。

◆トタンやら金属類やら燃えるものは持ってきてもらってOK。
◆但し、木材は処理設備の関係で1.5mのものしかダメ。

逆に1.5m未満の木材なんかあったら薪ストーブのおやつにしとるわって話なんですが、1.5mまでしか無理とのこと。

※丹波市民のうち、山南町民だけ諸々の事情で篠山のクリーンセンターにもっていかねばならぬのです。

おまけに屋根にはトタンだけでなく防水シートやらも貼り付けられていて、釘やらビスやら打ちつけられまくり。クリーンセンターでは分別して持っていかないとお金が余分にかかるのです。なので一生懸命ビス抜いて分別してましたがこれがまじめんどくさい。そして踏むと危ない。安全靴買おうと思って近くのジュンテンドーいったけどつま先しか鉄板入ったもんしかない。全然関係ないけど消防団で履いてる長靴も底はタダのゴム。作業上安全な靴すら手にすることが難しいんですなあ。ってな訳でただの長靴で作業。(良い子の皆様は真似しちゃいけません)

トタンを外し終わったところで、ふと現場を見下ろす。到底トラックに積める気がしない。かといって人力で解体できんこともないけどする気持ちにもなれない。ここからはユンボの力を借りようということでオーナーの父上に依頼、とりあえずトタンだけ積むことに。

トタンがこれまた長く、折りたたむのに一苦労。人力でトタンを折りたたむことがかなりの労力がかかるものを、台風さんだとねじりまくってガンキャノンみたいな仕上がりを見せてきた。これを人力で曲げようとおもったら一体我々は界王拳何倍を出せばいいんでしょうか界王様。天災って怖い。とりあえず積んでみたらユニックみたいになった。かつて丹波市にきてすぐ、ロープ技術を教えていただいたランバージャックスさんに感謝。こういういざって時にね、役に立つんすよね、ロープ。

※ランバージャックスとは
http://www.lumberjacks.jp/

ユンボが不調で修理中に、積んだトタンだけクリーンセンターに運ぼうと思い、出発してすぐ、山南町岡本らへんで後ろから走ってきたハイエースがやたらパッシングしてくる。なんやねんこいつはと思い停めて下車、するとおっちゃんがでてきて

おっちゃん『なんやお前、こんなもん積んで。業者か?』

わたくし『いやいや、かくかくしかじかで、クリーンセンターもってくとこですわ』

おっちゃん『そんなんやったらあの夫婦橋の手前にあるヤマ商会もってけや。そしたら引き取ってくれるわ、おまけに缶コーヒーくらいくれるさかいな。クリーンセンターより近いしよっぽどええで』

わたくし『ああ、そういえばあったなあ、ではいってみますありがとうございます』

なんか文句でも言われるのかと思ったら神のお告げでした。ありがとう神様。それにしても丹波市ではこうした通りすがりのおっちゃんらの優しさがやばい。これで救われるのは何回目だろうか。少なくとも過去4回はネズミとりを回避させていただいている。丹波市内でパッシングされたらほぼ間違いなく何かしらの警告であり、喧嘩売られている訳ではないのでドライバーの皆様はご注意くださいませ。

ということで折り返し、夫婦橋近くのヤマ商会へ。そしたら引き取ってくれた上に、トタンは1300円になりましたワッショイ。おまけに缶コーヒーもまじでくれた。しかもめっちゃ熱いやつ。ヤマ商会最高!

※ヤマ商会さんは鉄とか家電とか引き取ってくれます。鉄系。詳しくは聞いてないけど全部重さで査定。

そんなこんなで、人力の限界まではやったので、次回の片付けはユンボで。

それにしてもこう、ユンボがイカれたらすぐそばに直してくれる事業者があるというのは有難いですなあ。播丹土鉱機さん最高。持留恵氏の親父とおかんに感謝。

※播丹土鉱機(重機借りれます直してくれますこないだはフォークリフト直してもらいました)
http://www.bantandokouki.com/

いざっていう時、やっぱ近くに重機とか扱う、もしくは扱える土木建築屋さんがいるっていうのはすさまじく頼りになりますな。三年前の災害時を思い出した。

今回、うちは屋根が吹っ飛んで、しかも一部。この一部だけの処理でめっちゃ作業ボリューム大。人力でやってたら余計に。だからやっぱり家の解体作業を業者に頼んだらそれなりの値段するのはよくわかる。

おまけに今回も問題になったゴミ処理。

今回はほぼ木材と鉄だけやからまだいいけど、これ最近のご家庭の家やったら石膏ボードやらコンクリートやらセメントやらなんやら、燃やせるゴミなのかそうじゃないのかよくわからない材質のものがいっぱいある訳で、そんでもってビスやらネジやら打ちこまれまくってたら処分がまあ大変。

今地方では空き家問題がなんだとかいうけど、それでも木材が中心の古民家だからまあまだ処分もしやすいやろうけど、ここ30年以内に建ってる最近の素材の家がゴミになる日がきたら、まあほんとやばいやろなあと思う。潰しても燃料にもならん、再利用もできん、ただのゴミってなったらもう、一体どこの誰が処分するのやら。それがもし、未来の子供たちがってことになるなら、どんな家に住むか?もちゃんと考えて住みたいもんですな、とか思いましたとさ。

と言う訳で、今日はまた1つ、災害時の処理能力があがったとともに、めっちゃ疲れた。なんだかんだ、何もないのが一番。