街中の地方化
昨年。秘書を雇おうかと真剣に悩んでいた時期があった。
これといって夢とかなく、特にやりたいこともなく、これじゃないといけない、これしかしたくないということもなく、ただ目の前で困っている人がいて、自分ができることできそうなことを手に取り、粛々と仕事してきたら、結果的にここ1,2年ほぼ事務作業しかしておらず。
事務作業ばかりになってくると、「さすがにこれ、誰か他にできる人おるんちゃう?自分じゃなくてもよくない?」という気持ちも芽生えてきて。でも、意外といない。
緩やかに探していたけど、いない。そうなると、育てるしかないのかと。そうなると、常にそばにいてもらう必要があるな、そうなると秘書かな、秘書の秘書みたいなやつやなと思いかけていたのが1つ。
もう1つは、日々の消化不良。
まず何より、自分は人の頭を使って頭の整理をする性質で、話すことで自分の考えを整理し、返ってくる反応を受けて考えを整理する。1人で頭を整理仕切れないという欠点を持ち合わせている。これは特に丹波市へ引っ越してきて、シェアハウスを出て家族と住み始めて如実に感じていたことで。
シェアハウスでの生活はほぼ毎日寝るまであーだこーだ住人と話し込み、日々あったこと、日々のもやもやを完全に消化しきって床についていた。常に完全消化だった。
色んな出来事や事件もあったが総じて日々爽快だった。自宅を持ってからは仕事をして家に帰るともう大体家族は寝ていて話すことがないし、起きている間は常に子どもが間に挟まるので、嫁氏と二人でゆっくり話す時間はこれまで数える程しかない。
この反動がものすごくて消化不良感が日々積み重なる上に、先述の通り仕事がどんどん事務作業になっていくから人と接しずに済んでいくようになって余計に消化不良度が増していき。
ただ、日々の出来事やモヤモヤというのは大半が仕事に絡んでくるものであり、なんでもかんでも人に話す訳にもいかない話もあったりする。なので、これらを人に話すまではよくても、その先に話していかれると困ることもある。
なもんで、特別身内と言える訳でもない人にこの消化不良の元になっているような話をし、その話は他言無用、つまり守秘義務をお願いしたいということになればもうそれは仕事やなと。この仕事は何や?となれば秘書かなと。
この問題は相当な悩みの種として存在し、色んな人に相談し、検討に検討を重ねた結果、ハードルが多々あって現時点で秘書を雇うには至っておらず。
一定の模索を続けていた甲斐もあって、秘書を雇うみたいに直接的ではないにしろ消化不良感を軽減する手段をいくつか見つけ、自分にとって重要ではあるが緊急性が薄まり。いずれ何とかしたいと思っている。
本件、色んな人に、それこそ街中の人にもあちこち相談する中で色んな気づきもあって。
この悩み自体は潜在的か顕在的かに関わらず、零細企業、中小企業がほとんどのこの地方において同じように悩んでいる事業主が相当数いること。
また、最近コロナの影響で在宅勤務、テレワーク、リモートワークが増えてきたことで、街中のサラリーマンでもこの地方の中小企業の事業主と同じような環境下になり、同じように消化不良が生じ始めていること。
地方は飲みにいく店も少なく、飲んだら運転できないので気軽に飲みにいけない。
街中では日々のストレスが溜まれば職場の人を会社帰りに飲みに誘って終電まで話し込んでってできるし、誰も誘えなかったらスナックなんかが受け皿になっていたりもする。
しかし、緊急事態宣言だ三密だと言って封じられた。環境が地方に近づいていると言える状況になり。
超がつくほど個人的な問題で悩みだと思っていたが、意外とどこでも誰でも、地方でも街中でもな問題なんだなと。
今、意外なところで、街中と地方の感性が一番歩み寄っている、互いの気持ちが近くなっていて、一番理解しあえるタイミングかもしれない。奇しくもコロナの影響で。
という訳で、何か一手打てればいいなと。