ラジオやらなんやら


今年度がスタートし、昨年度までに引き続き、また丹波市からの委託業務“移住相談窓口ワンストップ丹波”を継続することが決定。

そして、昨年度までは行政が管轄、運営していた丹波市の求人サイト“たんばの仕事”も、今年度からうちがやることに。
昨年の12月頭に公開、運営が始まっていたこのサイト。ここまでの反応がほとんどないと聞いていて、効果がない状況を改善するというのが今年度のミッション。多分一番業務的に重たくなる。

午前中、市との、その引き継ぎを兼ねた打ち合わせ。さてさて、どういう風に展開していこうかな。

先月末、丹波市でここ2年間の移住相談状況を報告する会を実施。
事の背景は今年2月下旬の熊本市でのシンポジウムに呼んでもらって講演させてもらった日のこと。
1時間強、時間を押していたのにも関わらず熊本市長がずっと話を聞いてくれていて、よくよく考えたら丹波市の市長にもこんなに一方的に話聞いてもらったことないなあと(笑)

更に色んな地域から視察やらに来てもらって色々外部には話す機会はあるのに地元の自治会等に話をする機会がないなあという事実に気づき、この地元丹波市での活動なのに地元に話をする機会がないというのはどうなんやということで報告会をすることに。

年度末の激動の最中、無理やりねじ込んで開催。結果的に25人程参加していただきまして。どうもありがとうございました。
行政が“移住相談窓口を設ける”というこの行為そのものについて、丹波市含め丹波市以外の自治体ももっとちゃんと考えておいた方がいいと、個人的に思っている。

相談者にとって健全な相談窓口であればあるほど、嘘がつけないし、隠し事ができないし、はぐらかせなくなる。
移住した後に『ゆうてたこととちゃうやんけ!』『聞いてへんかったぞそんなこと!』みたいなことになれば、移住したとしても住み続ける可能性が限りなく低くなっていくから。

特に、我々のように実際に住んでいる人が窓口担当であれば余計に。住み続けている地元の人と、移住してくる人を未来永劫きれいな人間関係として繋ぐためには、嘘偽りのない真っ向勝負で、腹割った関係性で繋がなければいけないという絶対命題の中業務にあたることが求められてくる。

嘘がつけず、隠し事ができないということはどういうことになっていくか。

いいも悪いも、地域のありのままの現状が、相談窓口が設置され継続し続けていけばいくほどどんどん明るみになっていく。相談者から質問が寄せられる度に。

『あそこの空き家どうなんですか実際?』
『ここの自治会の自治会費っていくらなんですか?平均はどれくらい?』
『日役ってどんくらいあるもんなんですか?ここの集落は平均より多い?少ない?』
『地域おこし協力隊ってどうなん?みんな楽しくやれてるの?』等

このご時世、ほぼ全人類がカメラマンであり報道記者でもある。
丹波市と触れ合った人達が故意かどうかに関わらずどんどん世の中に真実を伝えていく。

この件については別に悲観的に見ている訳ではなく、いいも悪いも、明るみにさらされるということは、いいものはいいと評価され、悪いものは悪いと評価されていくだけの話。俯瞰的な立ち位置からこの事象を見ると、いいものが伸び、悪いものが摘まれることになっていくので総合的に自浄作用が働きよりよい地域になっていく為の通過点であるとみることができる。

まだゆうて二年。二年のプロセスで一体何の物事の成否が測れるのか?と言われれば、まだ“結果”なんていう“結果”は出せないし、出ていないというのが正しいんじゃないかと思う。語弊を恐れずに言えば“実験中”なんだろう。

相談窓口自体は以前から言っている通り、会社でいうところの人事的ポジションだと思っている。

ミスマッチがあればあるほど即座に退社していってしまう。その会社がどういう会社(どういう地域資源がある地域なのか)で、顧客に何を提供する会社(何の地域資源を売りにしていて等)で、従業員にいくら給料を払う会社(平均年収はいくら等)で、従業員にいくらボーナスを払う会社(住み続けてる人にはこんな特典あるよ等)で、福利厚生は何があるのか(中学生まで医療費タダですよ等)等。

人事(相談窓口)がどういう人事を行うかは、そもそもの会社(地域)がどういう会社かによって異なる。

何人採用して、それぞれいくら給料を出して、福利厚生は何を用意してっていうのは、人事が全て決める訳じゃない。これらは、相談窓口も同じことだと言える。別に誰の味方でもないし、敵でもない。どこまでも中立的であるべき存在。

2年目の実績としては、これまた前の年に比べ倍近い相談件数があった。やりかけてから年々倍になっている。

移住相談窓口だから、移住相談の件数が増えたら喜ばしいことでもある。ただ、手放しでは喜べない側面もある。

相談件数が多いということは、それだけの相談をしないとはっきりとわからない状態であるということと、それだけの相談をしないと引っ越してこれない地域であるということと同義だから。

一人(又は1世帯)が、よそからこちらへ引っ越してくる。

この、一つの出来事には住む家のこと、その家がある集落のこと、暮らしていく為の仕事、生活していく為の環境、交通環境、教育環境、観光の政策等、一つには括れない、様々なレイヤーが複雑に絡んでくる。およそ行政の一つの部署が管轄ですという内部事情は、外部から新たに地域に加わろうとする人たちの全てにはなり得ない。これは相談窓口としてもそう、会社の人事が新入社員と入社後ずっと一緒に働く訳ではないことと一緒。

一人から一つの相談を受ける。
年々、自分の脳みその中が忙しくなっていく。自分に色んな立場や在り方ができてくるから。

相談員としての自分、地域の世帯主としての自分、商工会としての自分、消防団としての自分、一児の親としての自分、雇われの身としての自分、人を雇う側の自分。

『丹波市って生きていきやすいですか?』

例えばこういった単純な質問でも、自分の中で答えが異なってくる。微妙に違うこともあれば、全然違うことも。自分は一人しかいないのに。自分の中がとてつもなく忙しい。

これから先は、何を指標としていくのか、何を正しいとしていくのか。

この二年の経過とともに得られた事実を元に、一度あえて立ち止まって、この先を見据えて一度考えてみないといけない時期なんだろうなと、思っている。

究極的には皆、生きたいと思えるところで生きていけるのが一番。
この相談窓口としてはその場所が、丹波市であれば嬉しいなあという話。

春日庁舎前の桜がかなり咲いてきましたなあ。気づいたらもう今年が3分の1終了。ほっといたらあっちゅうまに時が経つ。

夜は丹波市のコミュニティFM、FM805でラジオ集録。
二本、集録があって、一本は丹波市の空き家事情、二本目は丹波市の求人事情。そのうち放送されますよってに。