個人的アイデアの捻り出され方


先日アイデアに困っているという話に呼ばれて。
関係上、自分が絡むことができないけどという前置きをした上で、ありったけのアイデアを渡してきた。

基本的に自分はアイデアに困ったことはほっとんどない。逆に、実行にあたり自分の体が1つしかないことに困ったことは星の数ほどある。今も困っている(助けてヘルプミー)。自分に足りないものは実行力だなと常々認識している。

それはそうとこれまでの経験上、人はやれる選択肢があるとなかなかくじけない。打つ手がなくなると身動きがとれなくなるからくじける。常に色んな選択肢をもっている人は打たれ強い。まあええか、あっちがあるから、ってな具合に執着もなく、いとも簡単に熱中してた選択肢が捨てられる。

万事休すな空気感に包まれた真っ暗闇のトンネルに、一筋の光をともせたような空気感に変わる瞬間に立ち会えると、見ている側としては少し嬉しくもなる。しかし、アイデアを渡したところで実行されなければ何も変わらない。
どんだけいい考えが浮かんでも、やらなかったらやっていないのと一緒で、それは考えてないのと一緒なのだ。

大体、

『アイデアがなくて困っている』

という人は、パッと見でもわかる“いいアイデア”“真っ当なアイデア”“100点満点のアイデア”“どこに出しても誰からも突っ込まれないアイデア”だけを探し求めていて、0か100かみたいなアイデアを探していることが多いように感じている。そんな自分を一旦横において、とりあえず“法に触れて”いようが“倫理上アウト”だろうが“世間的にアウト”だろうが、アイデアというアイデアをとりあえず出しまくる。気持ち300くらい出す。

出したら、出しっぱなしで一旦間をあけることをお勧めする。すぐに決めにかからない、まとめにかからない。まだ出てくる可能性があるから。
しばらくして、量産したアイデアを吟味にかかる。

そもそも、世の中のアイデアというのは基本的に0点~99点くらいのアイデアで、最初から100点なアイデアは宝くじで5億円あてるくらいの確率の代物。どんなアイデアもいざやってみたら不都合なところが沢山でてくる。

例えば今、目の前に空き家がある。なんとかしたいと。
“シェアハウスにする”
というアイデアが出てますと。ええやんかと思いましたと。

ここで、このアイデアの要素を分けて考える。

◇若い移住者が沢山住める
◇生活コスト下げられる
◇色んな人と会える
◇友達増える
◇地元初となる
等々
いい要素がある。逆に
◆一人になれない
◆地域になじめるか心配
◆色々めんどくさそう
◆日本中には沢山シェアハウスがあってこれといって別に珍しいもんでもない
◆男だけになったら最悪
等々
悪い要素もあるなと。なので合計31点のアイデアですねと。

自分がこのアイデアを聞いてええやんと一筋の光明ですやんかと思ったのはいい要素の方であり、悪い要素の方は微妙やなと。じゃあこのアイデアのいいところだけで突き進めるものが理想やなと。

ここで他のアイデアとして、
“会員制の○○にする”
というアイデアがでてますと、ええやんかと思いましたと。
同じように要素に分けて考えると。
◇特定の人に絞る方が対外的にエッジが効く
◇汎用的にしないから満足度あがる
◆会員つのるのめんどくさい
◆会員て誰やねん
等々
ありましたと。合計24点のアイデアですねと。

いい要素だけ合体させて、お、ほんじゃあ

“Iターン専用のシェアハウス”

とかええんちゃう?80点くらいいくんちゃうこれもしや?
みたいな、ちょいと進化を遂げてきたアイデアになっていく。

後は、自分が実際に一歩踏める、必ずやれるアクションを用意してとりあえずGoさせると。

そうすると、

“Iターン専用のシェアハウス”というええ感じになると思われるアイデアに着手してみて、実際ふたをあけてみると、

“Iターン専用のシェアハウスってことでスタートしてみたら当初からやばいくらいすったもんだあって楽しい事も大変なことも沢山巻き起こって途中Uターンもきたし正直まじ大変ですわこれとか思ったこともあったけど最終的にはやってよかったと思えるものになりました”

的な答えになったりするのが世の常であり、当初導き出した答え通りにいくものなんてやっぱそうそうなくて、そんなに思いつめてまでアイデアに困らなくてもいいんじゃないかなとりあえず何か10点のアイデアでも実行したら、とも思ったり。

とにかく、こんな具合に、大体ここに書けないくらいしょーもない(100ある要素のうち1つだけ良くて99ダメな)アイデアがもりもり湧いて、そこからチョイス、吟味されたさも真っ当そうなアイデアに仕立てあげられたものが僕の口先から飛びでているのでありました。さもそれっぽいアイデアが僕の口から飛び出るのをみたことがある人は、それはきっと全然違うことを考えていた結果の単なる思いつきの場合がほとんどであることをここに予め懺悔しておきます。

感覚的には、最初から完成品を探すよりも組み立てていった方が早いしいいものに仕上がる、そういうもんだと思っている次第。

そんなこんなで、今年、アイデアにお困りの方の為の、わたくしも個人的に尊敬してやまないアイデアマンの諸先輩方に一緒にご指導願うアイデア量産会議的なもんをやれたらいいなあと企み中。