丹波市×softbank~ture-tech~所感等


さてさて。ようやく日常が舞い戻ってきたところで。ほんと、非日常感に包まれていた一週間でした。ほんま最高やった、ture-tech
個人的には4年に1度の選挙に匹敵するくらい、濃い時間。ほんと関係者の皆さんお疲れ様でした。まじ疲れましたね。でも、いい疲れだった。

勝手に丹波のおじさん代表として今回インターンシップに参加してくれた学生さんたちに。最後に一言いう時間もなかったし。

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およそ学生までの生活というのは、何をするのが正解で、どう考えることが正解で、どう答えることが正解かという、いわば“答えが用意されている環境”が大半。
答えが用意されているから、単純に答えを知り、答えの導き方を知ればクリアだった。受験なんかもろにそう。

でも、どうやろう?

今回、地方創生という括りで、この丹波市という一地方に関わり取り組んだものは、“こうすることが答えだ”なんていう答えはあったやろうか?

一秒先の未来でさえ、どうなるかなんて誰にもわからない世の中において、どうしたらうまくいくか?どうすることが正解なのか?どうしたら成功するか?なんていうことは、“やってみなわからん”のが当たり前で普通。特に、今まで誰もやったことがない、考えたこともなかった、日本初、世界初なんていう領域のものは絶対的にそう。

個人的に、“社会人になる”ということは、答えがない環境下において、答えはこれじゃないかと自身で設定し、やってみて、検証し、答えとおぼしきものを“答えにしていく”ことができる人のことを指してるんだと思ってる。

いくら学生が“答えが用意されている環境”といえど、それはあくまでも試験やテストみたいなところの話。答えのないケースは子供でもたくさん触れている。

例えば恋愛なんていうのもそう。どうすれば好きな子と付き合えるか?どうすれば好きなあの子と結婚できるか?なんて、ぶつかってみなわからん訳で。
だからこそきっと、大事なことは、

これが答えだと自分がそう思い、その答えを実現させたいという気持ちがあるなら、実現されるまで“やり切る”しかない。
ほんまに、これしかない。

好きな子とずっと一緒にいたくて、告白して、一回断られたら、もう諦めるんか?っていわれると、ちゃうやろ?
好きなんやったら、ずっと一緒にいたいんなら、何回でもいくしかない。
out of 眼中と断られてから200回くらい告白してつきあって結婚したやつだっているよ世の中には。(法には触れちゃダメ絶対笑)

好きな子と付き合ってて、相手に別れよって言われて、ずっと付き合っていきたかったって本心では思ってるのに、嫌といえずに諦めてしまったり。妥協したら、全て終わっちゃう。

自分がこうだと思うものをやり切る。それしか答えにたどり着かない。

“答えが用意されていない環境”において、生き方はめっちゃシンプル。

“自分がやるか、やらんか。

やらんのやったら、

人に乗るか、反るか。”

生き方は3パターンしかない。
自分は、どう生きていきたいのか?

“本気なら、やり切る。やり切って答えを創る。以上。”

今回、人生観変わりました!とか、こんなに燃えたのは人生で初めてやった!とか、今まで最高の経験でした!とか、みんなめっちゃ言うてたね。

自分の本気に触れるって、なかなかないよな。ほんまに。

ほんまに全部出し切った、やり切ったって感じてる人がおるなら、普段日常でどんだけ自分が手抜いてこなしているだけか、よくわかってしまう。

もし今回、やり切れなかった、本気が出し切れなかったって人がおるなら、よかったやん、まだやれる余地があることがわかったやんか。次、絶対に譲れない、やり切りポイントが来たら、そこでやり切れな。

忘れんといてほしいなあと思う、“自分の本気出してる時”の感覚を。
自分では気づかんかも知れんけど、傍から見てたら、清々しいほどに“活きた顔”してたで、みんな。

今回のture-techにおいて、当初市役所から言われていた役割は、初日の移住チームのサポート、二日目の壁打ち、最終日のプレゼンで講評お願い、というものだった。なもんで、正直、事前に何すべきかよく把握してなかった。全チーム分の課題設定にも目を通したのは、直前の週末やったし。

でも初日、みんながとても真剣に議論してるのを見ていて、“ああ、めっちゃ本気やんか”と。みんなの本気に触れて、こちらもスイッチが入りました。とあるチームではもうすでに疲労気味やから0時には寝ようと最初ゆっていたのに、結局蓋開けてみたら4時になっても起きてて。そこまでいかれると、こっちが手を抜ける訳ないよなって。

softbankの人らも、当日まで接する機会が少なかったら、真意を聞けるタイミングがなくて。それも初日の夜に、やっぱインターンシップやから最終的にインターン生に来てほしいとか、何人きてもらわなあかんとかあるんですかね?って聞いたら、

『いや、全然それはないです。
そりゃ最終的にうちに就職することを選んできてくれたらいいですけど、ture-techについてはそこは一旦どうでもいいです。』

とズバッと返答飛んできた時に、ああ、softbankさんも本気やんかと。何に本気かって、地方創生と、インターン生の成長に。

そこから5日間、できるだけのことはやったつもりやけど、自分としても自分の足りてないところが沢山見えて、とても有意義だったなあと振り返っております。

最終日、全てを終えた後、みんなに丹波会Tシャツプレゼントして、一人ずつ前に立って発表してる姿を見てた時、なんだかとても頼もしく感じてました。翌日からも一緒に何かやってるイメージがつくくらい。もう完全に丹波の人やなってくらい。

多分、ずっと隣にいた同じ年のおじさんも、そう思ってたんちゃうかな。だって、前に立って皆発表してる姿、我が子の成人式でも見てる気分なんちゃうかなっていう顔しながら、全員分写真撮ってたで笑

街中で暮らしていると、自分一人でも適当に生きていけちゃう。俺も30年暮らしてたから、よくわかる。税金さえ納めてたら、自分の町のゴミは勝手に誰かが拾ってるし、街灯はどこでもついてるし、雑草なんてほぼ生えてないから刈らなくていいし。“仕事(学業)”と“私事(プライベート)”だけで毎日が気持ちよく、何も気にしなくてもいい感じで終わる。

でも、田舎と呼ばれる地方では、税金納めててもまず全体を管理できるだけの金額じゃないから、ゴミは自分たちで拾わないと誰も拾ってくれない、街灯はないところも多い、雑草は自分達が刈らなきゃ誰も刈ってくれない等。
私事と仕事に加え、“地域”というものがどうしても入ってくる。それも、一人じゃどうにもならんことばっかり。

暮していくのに、どうしても一人じゃできないことがあって、それを皆わかってるから協力しあい、助け合いながら生きてる。街中と違って、必然的にチーム組まないと生きていけないという側面がある。

不思議なもんで、一地方では能力は十分条件であって、人(人柄)が必要条件なんよね。たった一人、能力がずば抜けてるだけじゃ、機能しないようになってる。

だからこそ、丹波人として同じチーム内のメンバーに見えた、感じられたということが、とても嬉しかった。俺も、無駄に声はりあげないとついうっかり涙でそうな瞬間が何度もあった。

今の環境で、これから行こうとしてる環境で、つまらなさやおもんなさを感じから、とりあえずまた丹波に遊びにきてな。
今回、会ってほしかった人たちはもっと沢山いて、それはIUターンだけじゃなく、地元の人も含め。

なんかカリスマという称号をいただきましたが笑、
実はカリスマの上には“ゴッド”が存在しておりまして、カリスマが気持ちよくカリスマできるのはゴッドのおかげであり、ゴッドがいなきゃカリスマは存在できないのであります。ゴッドから見たら、カリスマはゴッドの手の平で泳がされているだけなのです。ゴッド界ではカリスマは駆け出しのペーペーなのです。

次はゴッドに沢山会ってもらうから笑

ほんま、一週間ありがとう。

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【今回の所感】
◆最高によかった!!!

東京でコクリ!に参加していた際、塩尻市職員の山田崇くんがこの取組の話を聞かせてくれて、これはまじ丹波市でもやりたい!とずっと思っていて。
友人である横田親が絶妙に繋いでくれて実現するとなり、塩尻市に比べて丹波市は微妙だったねとか言われてほしくない一心で関わり始めましたが、そんなことは本当にどうでもよくなるくらい最高によかった!何がよかったとか詳細なこと聞かれても何が何かよくわかりませんていうくらいよかった!
一般的によその取り組みを丸ごと真似した時、決してうまくいかないのが世の常かと思いますが、今回はよその取組をもってきたとかそんなことはどうでもよくなるくらい最高によかった!

◆市長プレゼンは即決体制を用意しとくべきなんだろうなと思いました

初の試みということもあり、様子見な側面もあったかもしれませんが、やはり市長プレゼンにおいて丹波市側もとても煮詰まった提案が飛んできて、何の疑問も検討の余地もないもの(要はあとはお金だけが問題、“決め”だけが問題)が飛んできたら即決しないと、余計な間延びが生じるだけなのでよくないなあと感じました。二回目以降の課題かと思います。学生たちも、日本各地から集まってるだけに、その場で次の確約がないのは、モヤっと感が残るのは否めないと思いますので。

◆そういえば丹波市民からの本気の提案を受けいれる制度がありませんね

今回とてもいいイベントだったなと、関わった人は皆感じていると思いますが、ふと考えてみると丹波市民が市長にこういった提案する機会がないなということにも気づいていらっしゃったり。
現在丹波市SP推進室もシティプロモーションに関する補助メニューを検討されていると伺っています。
奇しくも今回廃校チームでも話題として挙がったサウンディングプロセスのような、予め枠を市が補助枠等を決めて用意してしまうのではなく、市民からの提案を受けてその実現を支えるという制度があってもいいなと思いました。
(この課題を解決する為に自分達がやるからこんだけのお金を市で用意してくださいというもの)

◆これとは別に社会人版をやるのもおもしろそう

塩尻市ではture-techとは別にmichikaraが行われていて。
社会人版も絶対意義あり。
結局、今回関わった丹波市内の人達も刺激受けたとか、勉強になったという感想いってた人が大半。関われば関わるほど、いい勉強になるイベントで、つまりは全員にとっていい学びの場、研修の場だったんだなと感じました。
行政も職員研修として、事業者側も幹部研修として、行う意義をすり合わせて次回をよりよくする為に調整して迎えたいですね。

◆結局市の移住相談窓口としては移住チームのプレゼンはどうだったのか?

率直にいうと、調査内容の精度の高さに関心しておりました。
丹波市側の課題設定上、今回IUターン者22名しかヒアリング対象に設定されていなかったが為に、そこから導き出される結果の裏付けであったり、検証に至るまでの猶予等もなかったのでおよそ一般的な調査業務的報告書と比べたら抜け漏れがあったかもしれませんが、設定条件としては十分な内容だったなと。
かみ砕くと、これまで自分達がやってきたこと、これからやろうとしていることにおいて、『ああ、やっぱ方向としては間違ってなかったんだな』と確信させてくれるには十分な結果が発表されていたと感じました。
なぜ空き家バンク(住まいるバンク)を始めたか?なぜ求人サイト(たんばの仕事)を始めたか?
その、根本的な問いに明確に返す答えが導き出されていたなと。
ほんとありがとうございました。今年度も走り抜けるのみです。

◆本気って伝播する

自分が本気だから、相手も本気になれる。
相手が本気だから、自分も本気になれる。
あいつが本気だから、多分これは本気でいいものなんだな。

本気って不思議なくらい伝播する。
やっぱり、本気じゃない人から本気だせって言われても本気になれないのは、言葉だけじゃないものがある。
本気になれる、本気を出せる環境って、やっぱりいい。

◆今回実現するまでの揺るがない事実

今回丹波市でture-techが実現するまでの過程において、一部始終を聞いて見て触れていた自分として客観的にもわかるのは、

1、自治体側が外部のいうこと、やりたいこと、成し遂げたいことをそのままやらせる度量があるかどうか(自治体側の都合や要求をのまない限り無理としないかどうか)。度量がないと実現しない。
2、自治会や地域住民にもその度量がいる。

今回の話は横田親がもってきて繋げてくれた訳ですが、彼自身は最近月の半分は丹波市にいないし、あちこちいってる。でも、あちこちいっていて、外部とのパイプを強固に持っているから、今回話を繋げられた訳でもあり。
ここでもし、彼に自治会や周囲が『外出ていく暇あったら家の草刈りちゃんとせえや』とか『消防入れ』とか『祭りに参加せえ』と市内にいることを強いていたら、まず実現していない。

自分もかれこれ5年目、地域にがっつり入っていってるつもりですが、これからUIターンしてくる人らに対し、全員にどっぷり入れという気持ちになれないのは、今回のようにガンガン外に出ていく人物にしか持ち帰れない、繋げられない宝があり、それもそれで確実に必要なことだと感じている次第。

そこは、役割分担なんだろなと。

有難いことに、色んなよその自治体から講演等に呼んでもらって、ただ話すのが嫌いな性分なものでよその自治体の現状や課題、色々聞かせてもらってきて。

結局、いつまでも

『担い手がいなくて困ってる』
『IUターンしてくる人がほとんどいない』
『若い世代が出てったきり戻ってこない』
等で悩み、頭を抱えている。

自分達がにっちもさっちもいかなくなっているところに、同じやり方を行う環境にUIターン者を入れても、入ってもらうだけじゃ、根本的な問題は解決しなくて。

中に入ってもらうことも必要。
外に出て色々やってきてもらうのも必要。
どっちかだけじゃなくて、どっちも必要。

自分は中に入っていくことをよしとしているから、中に入る。
自分は外に出て色んな物事を繋げてくることをよしとしているから、外に出る。

外で横田親みたいにガンガンやってこいって言われても俺には無理無理。むしろ嫌。井口家は家庭崩壊するイメージしかない笑

どっちも必要。どれも必要。

色んな役回りの人がいていい。それがある程度までできているから、実現したんだろうなと思いました。
今年度もまだよその自治体へ伺う機会があるので、丹波市民の自慢をしてこようと思います。

◆とあるエピソード

市長プレゼンの前日だったかな、プレゼン内容を詰めている時。
とあるチームの、とある子が相談しにきました。
自分たちが最終まとめていこうとしている内容が、丹波の人まかせになってしまっているような気がして、本当にこのままでいいのかと。時間もないから、あれこれ軌道修正かけれるかわからないけど、丹波の人まかせになるのは嫌なんですと、泣きながら相談しにきました。
グッときすぎて、最終日は徹夜になりましたわたくし。

◆地域のことを好きになってもらうのに地域資源はいらない

今回、ほとんどのインターン生が『丹波のことめっちゃ好きになりました!』『丹波にまた来たいです!』『丹波の為に手伝えることがあれば何でもやるんで声かけてください!』等、ゆってくれていて。有難い話ですね。
実際問題、彼らはほとんど今回の会場であった自然の家を出ておらず、市内全域を回ったわけでもないし、インタビューも限られた人達にしか会っていない。なのに、好きになってくれたというこの事実。

強いて言えば、今回だけの例でいくと、人と課題にしかほぼ触れてない。別に資源なんていらないんだなって、思いました。

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市長プレゼンの最中。

“もっともっと、丹波市は面白い街になる。
丹波市は「世界のモデルタウン」になる。”

自分が丹波市に初めてきた時、真横におった丹波市民が吠えていた光景を思い出しました。それめっちゃおもろいやん、と深く共感したことを鮮明に。

着々と、進んでいる実感がしましたね、ほんと。
最高でした。ありがとうございました。

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あんだけ熱のこもったプレゼンを受けた丹波市。ここからどんだけ実現できるか。丹波市が今試されておりますな。