旅丹写真展いってきた


兵庫県の丹波県民局が運営している、丹波篠山を舞台に二人のカメラマン夫妻が旅するように巡り撮った写真を全て無料で利用が可能というサイト、旅丹。

そちらの展示会が東京と大阪で開催されるということで、その大阪にいってきた。

旅丹
http://tabitamba.com/

今年度が始まった最初の頃、県民局がうちの家を訪ねてきてくれてから、この前畑夫妻とはたまに現場で遭遇したりしていて、個人的にものすごくいい取組やなと思ってずっと応援している。

このサイト、画期的で素晴らしいなと思うことが3つある。

1つは、商用利用も可能で全てがフリー素材のオープンデータであるという点。

丹波布

およそ公の機関である県民局がよくそこまで振り切ったなと。

おかげで最近丹波市内でもそう、兵庫県でもそう、東京でもそうで、丹波について話をしてくれとか、兵庫県について話をしてくれと言われるケースが多くなっていて、丹波ってどんなところですか?って言われるとこれみとけって言えるものが欲しかって、ものすごく重宝してる。

何か資料を作成しないといけない場合でもこの旅丹から写真とちょちょいと拝借してすぐできる。大いに助かっている。

※これらの写真を使ってポスターやらハガキやらを作ってそれを販売等、そういう類だけは禁じられております。詳しくはご利用規約をどうぞ。

2つ目は、公の機関である県民局が、この企画の外注先としてよそにお住いのカメラマンを起用したこと。

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大体、公金を使う際に、ほとんどの自治体では、

“公の金は、地元の事業者に振り分けるべき”

といった概念が根強く、どんだけ突飛な企画であっても大体の場合、地元の事業者に振り分けられるケースが多い。行政というのは市民からの税金で成り立っているんだから地元の事業者を使わないといけないという固定概念であったり、ずっとそうしてきたという慣習であったり、それらを突破できないケースが本当に目立つ。

それが今回、この企画をよそに出したというところ、意外と思われるかもしれないが、決してどこの自治体もそうやすやすとできることじゃないんちゃうかなと思っている。

3つ目。こういった田舎の風景等をとることを専門にしてこなかったカメラマンを起用したこと。

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旅丹のサイトが出来上がってきて、写真を見ていて、素晴らしいなと感じたのは俺だけじゃないはず。
それはプロだから一枚一枚のクオリティが高いというのは当然そうなんだが、プロ独特のあざとさがあまりない。プロとなると、構図がどうであるとか、狙ったものを狙った通りにといった一定の黄金公式のような型がでてくるがそれがあまり前面にでてきていない。これは普段の専門領域ではないからということに起因するのかなと思ったり。

あと、何より、上記のような写真は、これはこの光景が当たり前になった地元の人には絶対に撮れない写真。

どういうことかというと、人がカメラを手に持ち、シャッターを切るという行為を行うにあたり、今や!とか、ここや!という瞬間がきて、シャッターを切ることになるが、目の前の光景が普段見慣れた光景であればあるほど、当たり前になってしまっている光景であればあるほど、シャッターが切りにくい。切ろうと思わないからだ。

カメラ小僧たちがこぞって写真を撮る際に絶好の被写体を求める。最高の写真を撮る為に、最高の被写体を求める。
だからこそ、当たり前の日常は切りとりにくい。でも、その当たり前になってしまっている暮らしであるとか、風景であるとか、そういった類はよその人の方が気持ちよく切り取れる。彼らからすればそれが当たり前じゃないからだ。

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写真というのは、その写真を撮った人がどういう人で、どういうことを考えて撮った写真かということを知れば知るほど、知ろうとすればするほど、その写真の意味や意義が見えて深みが増してくるもので。

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人柄をわかればわかるほど、見る側も楽しくなるもので。

カメラマンの二人に最初の段階で会っていたから、こちらも楽しみになれたんだろうなと思う。

いやはや、この企画は是非とも来年度以降もやってほしいと思いますね。

旅丹写真展