西粟倉村いってきた


この三連休はコクリ!プチキャンプ@西粟倉村ということで、初となる岡山県西粟倉村へ。

佐用町

丹波界隈から西へ高速道路で移動する際に渋滞してたことなんて今まで一度もなかったように思うが、この日まさかの渋滞。佐用町あたりと揖保川手前あたりで。しかも工事渋滞。連休の昼間に工事するとかまじ謎。勘弁してほしい。おかげで1時間半程遅刻して参加。最初は木工房ようびさんから。

木工房ようび

今年の初めに火事で工房が全焼され、大変なことになったと伺っていた現場。つい最近までここで素敵な家具がたくさん生産されていたと思うと身につまされる感じもする。でも、印象としてはみんなの家の木材倉庫もほぼ変わらない現状だなとも思った。何もなさが全くもって一緒。

鉄骨

それと、鉄骨ってすごいなって思った。焼けてもこんだけびくともせんとしっかりと残ってるんやもんな。鉄骨すげえ。
ようびの皆さんがここから這い上がっていくのは、我々が丹波市で這い上がっていくのも一緒。妙で勝手な同郷の意識が芽生えた現場だった。

めぐみ

ここから見える先に、小水力発電所めぐみが見える。ここで西粟倉村の消費電力のうち70%程をまかなうだけの電力が生産されているんだとか。まじ素晴らしいね。エネルギーからの脱却ができると色々自由が増える。

このあとは最近できたというようびさんの日用品店へ。

ようび

めっちゃ山奥にある日用品店。一日三組しか受け入れないそう。一生もんの家具をそろえたいという方は是非いってみてもらいたい。ヒノキの家具の素晴らしさがふんだんに味わえる場所でした。

コンポストトイレ

最近つけたというコンポストトイレ。木工品を作る際にどうしてもでてくる木屑を利用しているそうで。こうしてちゃんと地域内で循環できる仕組みは本当に素晴らしいの一言につきますな。

日用品店

何より一番びっくりしたのは、この日用品店からの景色が、丹波市山南町にある竹岡農園からの景色にそっくりだったこと。笛路村みたいだった。大島さんと竹岡君は気があいそうだなあ。同じような風景に惹かれた点で。

森の学校

このあとは旧影石小学校で展開されている森の学校へ。ずっと以前から噂には聞いていた場所。西粟倉はここ10年間でかなり先進的に動いてきてらっしゃる地域で、自分自身がローカルとの接点が劇的に増えてきたのはやはり3年半前に丹波市に移住してからの話であるし、直後くらいからずっと西粟倉村の活動については耳にしていた。でも、西粟倉村の人が丹波市に来てくれている時に限って丹波市におらず、丹波市の人が西粟倉村にいっている時に限っておらずという感じで、接点がもてそうでずっとニアミスが続いてきた背景がある。

なので今回はかなり楽しみであったうちの一つがここ。

酒屋

小学校の跡地を利用して様々な事業者が入っていて、ここは酒うららさん。最近帽子屋さんとかも入ったそうで。どこもええ感じで実におもしろそう。

鰻の養殖

最もインパクトがでかかったのは、エーゼロ株式会社の牧大介さんがやってはった鰻の養殖。体育館は構造上、子供たちがどんだけ飛んだり跳ねてもびくともしないようにとかなり頑丈に作られていることを活かし、巨大な養殖用タンクを設置、床下から配管を通して立派な養殖設備になっていた。鰻の糞が混ざった汚泥はそこらへんの畑や田んぼに循環させ何1つ無駄にせずに地域へと巡らせていく計画なんだとか。林業と農業に水産業が横繋ぎを行うなんていう発想はこれまであったんだろうか。まじ目からウロコだった。

ボイラー

養殖を行うにあたり、水温を一定に保つ必要があり、一旦は灯油でしのぎ、一年間を通して必要なエネルギー量を正確に換算し、どの程度の規模感が必要なのかちゃんと把握してから薪等を用いたボイラーに切り替えていく計画なんだとか。
この一旦灯油、という発想もすごいなあと思う。なんでもいきなり100点求めちゃう節がどの自治体も少なからずあって、いずれ100点を取る為に一旦間に合わせるというこの発想。まじ勉強になる。なんでもかんでもいきなり100点取りにいこうとして、最初にどかんとやってしまうと、もし万が一想定外のことが起こった時に対処が難しくなる。やる前からもう100点の計画のつもりでやってたら余計に。最初は50点から進めます、でも全然いいと思う。

鯰の養殖

小学校のプール跡地はそのうち鯰の養殖をできたらいいなあと考えているんだとか。養殖って結構簡単にいうけどめっちゃ難しそう。何より生き物やから毎日面倒みないといけないし。こういうことをやろうと思うと現場に張り付く人が必要になるから、なかなか手が伸ばしにくい。

鹿肉

鹿肉の解体場所を作ったんだとか。丹波市の姫もみじ以外で鹿肉の解体施設初めて見たけど、姫もみじは結構そろってる方なのかもしれないと思った。人用と犬用で分けてる時点で結構進んでいる方なのかもしれない。

ジブリ

森の学校を後にし、西粟倉村で愛されている場所のうちの1つという場所へ。村民の皆様で家を建てたんだとか。ここでジャズライブを鑑賞。まじでジブリの森にきたような箱。夢がいっぱい詰まっている。

ジブリ

中に入ると地元の人であふれかえっていた。地元の人が愛している場所というのはやはり何か愛を感じますな。

ジャズライブ

鑑賞中、これでもかってくらい、足首を虫に噛まれ、足首がパンパンに。こんだけ噛まれたのはいつぶりだろう?
同じように丹波市でも自然に囲まれているけど、よほど自然とふれあってきてなかったという証拠なのかもしれない。何よりここ2,3年、丹波市の蚊が強すぎるからか知らんけど噛まれるとめっちゃパンパンに腫れあがるようになってしまい、蚊アレルギーなのかもしれないと思うほど尋常じゃないくらい腫れ上がってしまうようになってから、夜外でじっとしてたり、野外イベントというのを少しずつ無意識的に避けていたのかもしれない。自然との触れあってなさを虫に噛まれて気づいた。

元湯

その後元湯へ向かい宿泊。こちらもかねがね噂に聞いていて楽しみにしていた場所のうちの1つ。

子供番台

こどもばんだいがかわいい。西粟倉村は子供が中心に色々組み立てられている感じが随所に感じる。やはりベースが森にあるからだろうか。夜はコクリ!の皆様と色々話をしたり聞いたり。いい一日だった。

二日目。

オオサンショウウオ

雨からのスタート。
元湯さんの前の川にはオオサンショウウオが居るんだとか。雨降ってるのに水があまり濁らずキレイ。

コクリ

クラシカさんへ移動、120年前に建てられた農家さんのお宅らしく、宿泊とか貸しスペースとかカフェとかやってはるんだとか。

バイキング

お昼ご飯はあわくら旬の里でバイキング。お客さんでごった返してた。バイキングも和洋中いっぱいあってこれは確かにテンションが上がるし流行ると思う。美味いし。こういう店あったらいいなあ丹波市にも。

ようび

ようびの大島正幸さんの話を聞く。そもそも西粟倉村に足を運ぶ直接的な動機になったのは間違いなく東京で彼に会ったからであって、一言二言話しただけでこの人おもろい人やと感じて、結局詳細な話は一切聞いてなかったんやけど、今回じっくりと話ができて、めっちゃ共感した。やっぱり仕掛ける側の人の話はおもしろい。自分がそうなれてるか、在れてるかわからないけど、おもしろいと感じるのはまだまだそこに到達できていない証拠なんだろうと思うし、俺もそうなりたいと思う。

温泉

夕方、あわくら温泉『黄金泉』へ。西粟倉村の温泉はどこも冷泉らしく、どこもボイラーで温める必要があり、全てにおいて薪等のボイラーで熱をまかなっているんだとか。薪とかチップとかでエネルギー確保できる方がペレットよりはいいなと思う。ペレットってね、ペレット作るのにエネルギーかけるから目的が意味不明な感じがしちゃう。

スキー場

夜は大茅スキー場でリアルキャンプ。とても言葉では現せない程のいい時間だった。
一番話しこんだのは、西粟倉村の職員さんたちかな。同じ“行政”という括りでこんなに違うもんかとめっちゃ関心した。大きな括りになっていけばいくほど行政という箱は人をダメにしていくんじゃないかな。それは会社でもいえるかもしれない。最初は自分たちの為に、関わる人の為に動けていたものがどんどん箱自体の存在を保つための作用が働いてきて、すり替わっていく。それを見失わないように合併を拒んできたという地域の人達の気概はやはり一味も二味も違った。

三日目。

大茅スキー場

頭の整理の時間と、解散。充実した三日間でした。ありがとうございました。

集合写真

こんだけ充実した視察は、2月にいった小布施町以来の衝撃。どちらもコクリ!からのご縁。本当にいい機会をありがとうございました。

この後、一日目に本来行ってたはずが遅刻していけなかった100年の森に案内してもらった。

100年の森

キレイに間伐されていて、森の中に光が差し込むようになっていて、地面には草が生えている。でも、鹿が食べちゃうらしく、本来はもっと植生豊かな土壌になるらしいが、鳥獣被害はこういうところにも影響するんだそう。鹿が食べない草だけが生き残るんだって。田んぼや畑なんていう豊かな川下は、こういう豊かな川上があってこそ安定して成り立つもんだということを、この100年の森と一昨年丹波市市島町を襲った豪雨災害のあとを思い出しながらそう思った。やっぱり森の管理も大事だ。

杉

真ん中が黒いのでこれは杉ですね。

杉や檜がここまで大きくなるのは何十年もかかる。今杉と檜でいっぱいなのは戦後植林したから。逆に、何も植えてこなかったら杉と檜すらなかったということを考えると、今あることに関してはやはり感謝すべきことなんだろうと思う。何も植えてなかったら、今の時点で何もないんだから。

山のことはやっぱり100年はかかる。
今植えた木が役に立つかどうかは、自分が生きてるか死んでるかの時にわかる。山は自分の為にという考えでは未来永劫持続的に続かないことがどう考えても明らか。やはり定住するという観点から地域を見たら、山の管理は必須事項。避けて通れない。自分はそこに一歩踏み込んでおこうと決意を新たにさせてくれた現場だった。

タールマーリー

お昼ご飯には鳥取県智頭町になるタルマーリーへ。自家製の天然酵母のパンだけでなく、クラフトビールなんかも作ってて色々すごかった。

ピザ

パンがなかったので、ピザ食べた。めっちゃ上手かった。いい寄り道だった。

woodjob

帰宅後、夜は誕生日プレゼントでもらったWOOD JOB!を観た。
めっちゃいい映画やった。完成度高すぎ。田舎の集落事情をほぼ100%描写しきっててそこに感動するレベル。下手なセミナーとかのイベント開くよりこれ上映した方がわかりやすそう。山に入っていくテンションがあがった。名作。