アメリカ滞在記6日目~壁をぶち破る~
最後の一日。
indianapolisの風景はどこか北海道に似ている。真冬はマイナス20度になるというし、気候がよく似てるような気がする。
あちこちに小麦と大豆が植えられている。しかし人が通るような道はどこもつけられていない。一気に機械でガッと刈ってしまうんだろうか。こんだけ広かったらそうなるわな。
朝からすっかり和やかモード。アイスブレークというのはとても大事。
日本人は共通する物事をいくつも持ち合わせすぎた。肌の色、目の色、日本語、宗教観、町並み、等々。
“どれもほぼ同じ”という環境下では違いが目につく。“どれもほぼ違う”という環境下では共通点が目につく。違いの中から共通する事項が生まれると仲間意識のようなものが芽生える。
この日は全員同じシャツを着て回った。どこかウルトラマンの科学特捜隊のような空気感がでてくる。
新しい社屋で、先日まで訪ねていたブレードを造る工場ではなく、こちらは本体を造る方の見学。
ガンガン製造され、ガンガン出荷されていった。こんだけ作ってたらそりゃ一般家庭用にもなる。
それぞれの生産工程においてsupervisorがいて、説明を聞く。やっぱり専門用語はよくわからない。
それを考えると、通訳の人はまあまあ大変な仕事だなあと思う。予め勉強しないと理解できないし、その業界に精通しないといつまでも新たな単語を頭に入れていく必要がでてくる。業界に特化してやってくのがいいんだろうな。
日本のことを専門的に通訳し海外に伝えていくなんていうことができる人がいたらえぐいほど重宝されそう。
縦横無尽に動くクレーンがついてるってめっちゃ便利そうやなあ。なんでもできますわな。
woodmizer社は元々ブレードの会社。ブレードを売る為にハードを作った。
結局、林業の問題は林業だけで解決するのが難しく、鉄鋼業でしか解決できない領域があることは、農業が農業だけで立ちいかず、漁業が漁業だけで立ちいかないことと同次元であり、それはおよそ経済だけの話じゃなくて集落等の地域も同じことなんだろうな。
自分たちの集落だけで全てがまかなえるはずがない。まかなえないならどうするか?他の集落から調達するしかない。調達するのであれば、何か代わりに交換するものが必要。それがお金なのかモノなのかサービスなのか。何であっても、価値と価値の交換がそこに生じる。相手方がNoといえばそれで終了。終了でよしとできるならともかく、よしとできないのであればどうにかこうにか手を打つ必要がある。
必要不可欠がものが自分の界隈で入手できなければ、いつまでも外部に依存せざるを得ない。外部に依存するものがあるとそれは持続性があるとはいえない。持続可能な状態というのは、ありとあらゆるものを自分たちでまかなえる状態だと思っている。それは食べ物や飲み物だけでなく、エネルギーも含めありとあらゆるもの。
今住んでいる丹波市に至っては、全体の75%が森林。このままほっておくのか、活用するのか。活用しないなら、75%は壮大で厄介なただのゴミ山。やはり何か解決の一手をうっておくにこしたことはないのが事実。
こんなところにもTOYOTA。
海外とのやり取りは色んな物事を考慮する必要がある。為替、関税、輸送コスト、時差等々。輸入した方が安いのかどうか、現地で工場つくって生産した方がいいのか等々。当然ロット等も関係してくる。頭がこんがらがりそうだが、これをちゃんと整理できれば、やはり海外との接点をもっておくと色んな側面から賢い買い物ができ、賢く商売ができると思う。
様々な国とのやり取り。世界の枠から日本が見れるか否かによって、日本の地方は生き残れるかどうかが決まると思う。
だって、普段の視野が極端に狭すぎるから。
夕方ホテルに戻り、最後の懇親会会場へ。
今回、日本からはもう一社来ていた。神宮商行。同じ年くらいで、英語を話せないのに一人で来ていた。俺も一人やったら泣いてたやろな。woodmizer社への手土産をもってきていて、それを渡す際になんていったらいいのかわからずあたふたしてはったので、適当に伝えてあげた。まるでアメリカ入りした当初の自分を目の前に見ているような気がして、おかげ様で一皮剥けた感を実感できた。
色々あった一週間。まじ楽しかった。おかげ様で何一つ嫌な思い出がない。
死んでも行かないと心に決めていた海外。見事にぶち破るきっかけをくれた美山里山舎の小関さんには感謝で一杯。
自分の中の、海外に対しての壁を見事にぶち破ってくれたのはGhana人の彼。Thanks a lot.
意図的であれ、予期せぬこともあれ、色んな壁がぶち破れたような気がする。